つぶ貝とレタスの湯引きです。
レタスは日本では生野菜というイメージが強いですが、早くからレタスが使われていた香港などでは、炒飯に入れたり、写真のような湯引きにオイスターソースを掛けたりして食べられています。
日本の感覚からすると、レタス=生野菜というイメージが定着していますが、そもそも、中華料理に於いては生野菜を食べる習慣が殆どありません。これは、食養生の基本原則である「生ものや、温かくないもの」の摂りすぎはからだに良くないという考え方から来ているわけで、日本でも、戦後に食が欧米化するまでは、基本的に生野菜はあまり食べられていませんでした。
ところが、すっかり現代栄養学に慣らされた現在では「生野菜は加熱によって栄養成分が失われていない」ので健康的というイメージもあってか、レタスを始め生の野菜が好まれる傾向にあります。
しかしながら、この「生野菜は加熱によって栄養成分が失われていない」というのは事実ですが、ビタミンなどの「栄養成分が多く含まれている」という事は必ずしも「それだけ多くの栄養成分が吸収される」事にはなりません。即ち、植物の固い細胞膜などに囲まれて存在する栄養成分は、食品分析の際に使われる強力なフードプロセッサー並の消化力がないかぎり、吸収はされないということです。
たしかに加熱によって栄養素がいくらかは壊れたりしますが、野菜の細胞膜なども壊されるので、それだけ吸収できる形の栄養素も増えることから、「最終的にからだに吸収される栄養素」という観点からは、生野菜も温野菜もさして差はないような気がします。
更に、野菜を生で食べることは胃腸を冷やし、消化吸収に支障をきたしやすくなりますので、やはり野菜といえども生よりは加熱して食べる方が理にかなっていると思います。