臘肉(ラーロゥ)とは、もともと寒くて空気も乾燥している臘月(旧暦の12月)に豚肉などをタレに漬けて乾かし、最後にスモークしたものです。
写真は、その臘肉と臘腸(豚肉の腸詰めを臘肉と同じようにして作ったもの)、真ん中には臘肉とはちょっと違いますが、広東料理でよく使われる咸魚です。また、両脇に添えられているのは菜の花です。
この料理は、香港などで「臘味保仔飯(正確には「保」の下に「火」が入ります)」と呼ばれるもので、臘肉などの具とご飯を混ぜて甘口の醤油ダレをかけて食べます。
臘肉は簡単に言えば薫製で、豚肉以外にも鶏(臘鶏)、アヒル(臘鴨)や魚(臘魚)も同様に作られます。元々は保存食という意味合いが強かったのかもしれませんが、旨味が濃縮されるとともにスモークの香ばしさで食味も良くなります。この「香ばしさ」は、栄養素としては検出されないかもしれませんが、薬膳的に考えると、「気」の流れを良くすることで胃腸の蠕動運動をスムーズにする働きがあります。