鶏湯をベースに金華ハムも入った上質なスープに、水晶海老と梨が入っています。
水晶海老とは、身を開いた海老を叩いて、身が透けて見えるくらいまで薄く伸ばしたものに上新粉をまぶしたもので、スープの中で水晶のように透き通って見えることから名付けられたものです。
もう一方の具である梨は秋の果物ですが、「肺」を潤す作用があり、空気が乾燥してくる季節には適しています。ただし、からだを冷やす作用があるので、冷え症の方にはあまりお勧めできません。
ところで、漢方でいう五臓六腑の「肺」は西洋医学の肺のみならず、呼吸に関わる気管支や鼻、皮膚までも含みます。よって、アトピー性皮膚炎や喘息、アレルギー性鼻炎などは総て「肺」の病気となります。特に漢方理論では「肺は燥を嫌う」とされ、「肺」にとっては乾燥が大敵となりますので、特にこの季節は薬膳的に肺を潤す作用のあるもの~梨以外にも、ユリ根などをお勧め致します。また、お部屋の乾燥対策には、鉢植えの植物などが意外と効果的です(もちろん、給水は欠かさないという前提で)。