(香味さんのメニューから)
あんかけ焼そばです。このお店は野菜料理をお店の特徴の一つにされているだけあって、麺飯ものといえども鮮やかな仕上がりになっています。
ところで、現代日本で野菜料理と言うと「野菜はからだに良いのはわかっているけど・・・」といった感じで、おいしい料理というイメージに欠ける部分があります。
何故にそうなってしまったのかと考えるに、戦後の農業技術の進歩というかスーパーマーケットの隆盛で、形が揃っていて見た目さえよければ良いとか、季節はずれであろうが一年中販売するための品種改良などが進んだことが最も大きいと思います。
即ち、始めから日本の野菜は味や栄養成分を度外視して生産されている訳で、 本来、旬の時期に露地栽培された野菜は「おいしい」のですが、痩せた土地に化学肥料と農薬で形重視で作られた「不自然」な野菜ばかりを食べていると、野菜=「まずい」になって当然です。また、まずくても身体によいならまだしも、農薬漬けの上に不自然に栽培された野菜に含まれる栄養素は本来含まれる量の何分の一かに減ってしまいます(因みに食品分析表の3訂版(1963年)と5訂版(2000年)を比較すると、ほうれんそうの鉄分(可食部100g中)は3.3mg→2.0mgに、ビタミンCは100mg→35mgになっています)。
また、薬膳的な効能についても旬の時期に露地栽培されているものと、そうでないものでは異なってくる(効力が衰える)か、季節はずれのものはからだに悪影響を与えることすらあり得ると思います。