筍(タケノコ)が出まわる季節となりましたが、薬膳的な効用としてはイライラを鎮めたり、ほてりを押さえる作用があるとされています。また、筍のような成長力に富んだもの(「筍」という字は「旬」=10日間で「竹」に成長するの意)には、「気」のエネルギーが豊富に含まれるとも考えられています。
このように食べ物に「気」が含まれるという概念は、栄養素=物質中心の現代栄養学では無視されていますが、漢方の理論では体内を巡る「気」の生成には、空気とともに食べ物に含まれる「気」が欠かせないものになっています。
「気」は陰陽で言えば「陽」であり、身体の「機能」を表すとともに、免疫力なども「気」のエネルギーによるところが大きいとされています。現代日本人の体温が低下傾向にあり、平熱が36度に満たない低体温の方が増えてきていることや花粉症やアトピー性皮膚炎の蔓延なども漢方的には「気」の不足が背景にあり、冷たいものの過食や「気」をあまり含まない食品(加工食品やジャンクフードのほか、農薬や化学肥料漬けの野菜、過密な環境で飼育される家畜などなど)がどんどん増えていることと無縁ではないと思います。
蝦子(シァアズ)とは、エビの卵を乾燥させたもので、煮込み料理(有名な料理ではナマコの蝦子煮込み:蝦子海参)などに調味料的に使ったり、麺に練り込んだり(蝦子麺)もされます。エビの卵はケシ粒ほどの大きさですが、やはり生命力に富んだ食材に違いはないです。