丸腸は牛の小腸で、ぶつ切りにしてから中と外を裏返してから炭火で焼いたものです。なんでも、小腸の外側に脂が捲いているので、裏返して焼くことで余分な脂が落ちて、コラーゲン質が残るそうです。
ところで小腸にはパイエル板と呼ばれる腸管免疫の主役ともいえる組織があり、免疫、特に胸腺が萎縮してしまう中年以降の免疫に重要な役割をはたしているところです。また、漢方の考え方では、小腸は五臓六腑の「君主之官」である「心臓」と表裏をなす腑とされ、パイエル板が発見される何千年も前から小腸の重要性が認識されていたように思われます。
薬膳の考えでは、自分の内臓で弱いところが有れば、同じ臓器を食べると良いとされていますので、丸腸は免疫力が弱い人には良いかも知れません。もっとも、漢方では、小腸に限らず胃腸機能全般が良くないと免疫力が低下すると考えられています。