写真だけ見ていたら昨日までの玄米工房あすかさんのメニューかと思われるかも知れませんが、いつもの中華料理屋さんのメニューで、布豆腐を細く刻んだものと梅菜(メイツァイ)〜からし菜のお漬物で、広東省のものが有名〜の和え物です。
日本で中華料理といえばペキンダックや麻婆豆腐、エビチリなどが思い浮かびますが、すき焼きや天ぷらだけが日本料理でないように、中華料理といえども、もともとは野菜や穀物を中心としたものが主体です。特に明朝の時代くらいまでは豚肉などの肉類を除けば日本で食べられていた物とそう大きくは違っていなかったと思われます。「羮(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」という言葉があるように羮や膾といった、一見和食っぽいものが普通に食べられてもいました。
ペキンダックにしても麻婆豆腐にしても、その歴史は200年に満たないわけですし、清朝の時代に宴席料理として発展した豪華絢爛な料理を除けば、皇帝ですら毎日の食事のメニューは意外とあっさりしたものでした。
それだけ中華料理は幅が広いと言えばそれまでですが、何千年もの昔から食医こそが最高の医者であるという文化をもち、東洋医学的な思想も織り込みながら発展してきた中華料理は「日本料理は日本文化だが、中華料理は文明である」と言われるのもわかるような気がします。