一汁一菜

As (玄米工房あすかさんのメニューより)

 玄米に黒米が入ることで、黒米に含まれるアントシアニン色素の影響で赤飯のような色になっています。昔から黒米はお供えものに使われていたそうで、現在の赤飯のルーツとも言われています。

 さて、玄米に味噌汁、里芋や海藻、漬物というメニューは現在の日本に於いては「珍しい」食事となっていると思いますが、ちょっと前までは、何百年にも渡ってこれが普通の食事であったわけです。

 現在、「食育」の重要性が叫ばれ、「バランスの良い食事を」と言われますが、写真のような食事を何世代にも渡って食べてきた民族にとっての「バランス」と、先祖代々牛乳や動物性タンパク質を多く摂ってきた民族にとっての「バランス」は、体内の栄養代謝の違いを考えると、おのずと違ってくると思いますが、食べ物という「物質」のみに着目した栄養学ではそうではないようです。

 日本人の「食」に関する最大の問題点は、西洋人の身体を元にした栄養学を重視して、戦後の数十年という短期間に食べ物の内容が急激に変化したことであって、食べ物と日本人の栄養代謝機能とのミスマッチが、花粉症を始めとするアレルギー疾患の増大などの大きな要因になっているということです。

 戦後の日本のように、ある民族の食事の内容が急速に変化したという例は、人類史上、他に例がないほどであって、そのことが栄養学的には正しくても日本人の健康にとって正しいことだったのかというと、大いに疑問を感じます。

 

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