京黄翡翠蝦

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 (引き続き、筑紫楼さんのメニューから)

 来週の2月7日は旧正月というか春節ですが、写真はエビを水菜と黄ニラで炒めて、全体をおめでたい翡翠の色に仕上げたものです。

 中国では古くから「玉」と言えば翡翠のことであり、翡翠は「邪気」を払う神聖なものとして尊ばれてきました。この「邪気」とは、目には見えないけれど身体に何らかの悪影響を及ぼすものを指しますが、漢方でも人間は邪気により自らの「気」の運行に支障をきたし、やがて「気」のエネルギーで運ばれる「血」や「水」の流れが悪くなり、病気になっていくと考えられています。よって、健康の基本は「邪気」の影響を受けないことであり、お正月のお屠蘇も、目には見えないけれど誰もが感じる「良い香り」を以て、邪気を屠(ほふ)るものです。

 「邪気」などというとオカルト的な感じがしますが、例えば「かぜをひく」と言う時の「かぜ」とは「風邪」であり、これも「邪気」のひとつです。要するに環境因子としての温度や湿度、気圧の変化なども身体に害を与える時に「邪気」とよぶわけで、その他にも精神的なストレスなども目には見えないけれど身体に害を及ぼすことから「邪気」のひとつです。

 ところで、漢方薬には、この邪気を翡翠(=玉)で出来た屏風で防ぐという意味の「玉屏風散」という名前の処方がありますが、効能としてはかぜやインフルエンザ、花粉などの影響を受けないように身体の表面に「気」のバリアを築くという処方で、冬から春にかけてなくてはならない処方になっています。

 

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