上海蟹と年羔(ニェンガオ)の炒めものです。年羔とは中国でも春節に食されているお餅のことですが、日本のお餅よりも粘りけが少なく、薄く切って炒めものなどに使われます(写真の中で、貝柱を薄くスライスしたように見えるのが年羔です)。
中国でも年羔は主に南方で食されますが、中国語の発音では「年羔」と「年高」は同じになり、今年はより一段上へという意味にも通じます。また、北方ではお正月(もちろん旧正月)には餃子が定番ですが、これも餃子の形が中国古代のお金の形に似ていることで縁起がよいとされています。
さて、正月につきもののお餅ですが、これは中国の五行説という思想のなかで、「白い」ものというのは「春」を克する(押さえつける)関係にあり、餅つき=「白い」餅を何度も何度も打ち付けることで、滞りなく新春を迎えられるようにという願いが込められています。因みに、日本では餅を「つく(搗く)」と言いますが、中国語では「打年羔」と言って「打つ」という言い方をします。