下仁田ネギは群馬県下仁田町の特産品で、普通のネギに比べてかなりの肉厚で甘みが強いのが特徴です。栽培期間が1年以上と相当に手間がかかるそうですが、栄養成分も豊富です。
ネギの薬膳的な効能としては、体を温めて体表部に張り付いた冷えを追い払う作用があり、かぜのひきはじめには極めて有効な食材です。実際に、かぜの初期に用いられる漢方処方にも白ネギとトウチとよばれる大徳寺納豆のような大豆を発酵させたものだけでできた処方があります。
そもそも、なぜ冬になるとかぜがはやるのかというと、最大の要因は、空気が乾燥するからでも、かぜのウイルスや細菌が飛び交うからでもなく、寒くなるからです。体が冷えるということは、それだけ体温の維持にエネルギーが必要になり、免疫力なども低下します。冬に薄着をする人はあまり見かけませんが、冬場でも平気で冷たいものを飲んだり食べたりしている人は年々増えてきているように思います。ところが、胃腸を冷やすことでも薄着と同じようにかぜを引きやすくなりますので注意が必要です。
よって、かぜの予防策としては冷たいものを控えて、温かいものを食べることですが、できればネギのような薬膳的な効能として体を温めてくれる食材を積極的に摂ることをお勧めいたします。