上海蟹です。新暦で言うと10月からがシーズンで、写真のように菊の花の飾りがつきものなのも、旧暦の9月9日重陽節の頃から蟹がおいしくなるという意味です。また、10〜11月はメス、11月〜12月はオスがおいしいとされています。というわけで、今時分がオス、メスともに最もおいしい時期です(因みに、写真の右がオスで左がメスです)。
上海蟹は基本的にカニミソ部分を食べるものですが、中国でも家庭で食べるのなら姿蒸しが一番手っ取り早いですが、料理店では、カニミソや身をほぐしたものを蟹黄(シエファン)、蟹粉(シエフェン)とよびスープやあんかけ料理に用いられます。ズワイガニなどと違って上海蟹は淡水産で、カニミソも身も加熱してもあまり硬くならないために、そういった調味料的な使い方がされます。
尚、蟹は薬膳的には体を冷やすとされ、中国では上海蟹を食べる時には必ず生姜茶が出されますが、日本でも蟹を食べる時の三杯酢にはおろし生姜が入るのも同じ理由からだと思います。生姜は一番身近にあっておなかを温めてくれるもので、反対に言えば昔からおろし生姜などがつきものの料理〜キュウリやナスの漬物、冷や奴など〜は体を冷やすものです(お寿司にガリがつきものなのも同じ理由です)。