病気にならない生活のすすめ

Photo_67  著名人も多く訪れるという伊東にあるヒポクラティック・サナトリウム(断食道場)を主宰されている石原結實医師と実際にそこで断食経験をされた渡部昇一氏の対談形式で、断食と言うより副題「東洋の知恵は健康の知恵」にあるように、東洋医学的な考え方を西洋医学と対比させなが様々な角度から論じられた本です。

 代々、種子島藩の御殿医の家系に生まれた石原先生は、医学生の頃から人間の健康に関して二木謙三氏の東洋的な食養生の考え方に惹かれていたそうですが、現代人は「食べ過ぎ」が原因で病気になっているという考えを基本にサナトリウムを運営されています。断食といっても、ニンジンジュースを3食とって、黒砂糖を入れた生姜湯などは自由に飲めるそうですが、滞在中は温泉に入ろうがゴルフをしようが自由だそうです。

 さて、本書の対談の内容を目次から拾うと

・現代人は栄養過剰な栄養失調病?
・一番大切なのは自然の治癒力だ
・病のもとは食物にある
・水は身体を冷やすもの
・悪いのは血液の汚れだ
・食べ過ぎと冷えが病気の最大の原因
・現代医学は科学といえるか
・冷える部分がガンになる
・水分も摂りすぎれば毒になる

などですが、漢方的な視点から見て納得できることばかりです。

 またこういった考え方というのは、何も難しい学問を修めないと理解できないかというと全く逆で、本書に書かれていることは西洋医学的思考に凝り固まってさえいなければ誰でも理解できると思います。

(著者:渡部昇一、石原結實、PHP研究所 発行、2006年9月初版、「病気にならない生活のすすめ 東洋の知恵は健康の知恵」(PHP文庫))

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