稚鮎に蓼(タデ)酢ソースの涼麺です。「蓼食う虫も好き好き」という諺があるほどタデ(柳蓼)の葉っぱは苦いものですが、この苦さが香魚とも呼ばれる鮎の香りを引き立てます。
ところで「苦い」という味は薬膳的に言うと、「清熱」や「瀉火」のほか胃腸の中の湿気を追い払う「燥湿」という働きがあるとされています。
夏の特徴として気温が高いのは当たり前ですが、最も体調に悪影響を与えるのは湿気です。湿気は、まず「気」の流れを阻害し、体がだるいとか神経痛などの痛みが強くなったりします。また、湿気は胃腸の機能を低下させますので、食欲がなくなったりするほか、胃腸の水分代謝異常からむくみやすくなったりもします。
よって、夏場の暑さ(熱+湿気)に対して「苦い」味のものをとるのは理にかなっています。