漢方から見た熱中症

夏の時期に特に気をつけなければいけないのは、過剰な発汗と水分補給についてです。

漢方では汗をかくと、汗とともに「気」も一緒に体の中から失われると考えられており、過度の発汗は、体内の水分と「気」が不足する「気陰両虚(きいんりょうきょ)」と呼ばれる状態になります。

この時に、陰分(=水分)が減少して、オーバーヒート状態になるのが熱中症ですが、そこまでいかなくても「気陰両虚」というのは、特に血液の流れに悪影響を及ぼしますので注意が必要です。

漢方の考え方では、体内を流れる血液は栄養物質を運ぶ「舟」に例えられ、陰分である水の上を流れていると考えられています。この時、水(=陰分)が減少することによって、舟である血の流れも悪くなると言うことです。更に、「気は血の帥(きはけつのすい)」と言って、気のエネルギーによって血は流れていると考えられているので、「気陰両虚」という状態は、舟の動きに例えると、水位が低下した川をエンジンの出力も低下した状態で走っているようなもので、必然的に血の流れが悪くなってしまいます。 このため、心筋梗塞や脳梗塞といったものも、意外と夏場に多く発生します。

「気陰両虚」にならないためには、暑い時期に屋外でスポーツをする事を控えて、過剰な発汗を防ぐのは勿論ですが、国立環境研究所の調査でも熱中症のうち20%以上は屋内で発生していて、目に見えるような汗が、だらだら流れていなくとも、こまめな水分補給が重要になってきます。

ただし、注意しなくてはいけないのは、冷たい飲み物をガバガバ飲むことで、熱中症は予防できても、今度は胃腸が冷やされて、下痢や夏ばて症状が強くなることです。

このため、漢方ではこの時期に限らず、体質的に「気陰両虚」になりやすい人には、単純に水分ばかりを補給することよりも、体内の「気」と「陰分(水分)」を補ってくれる漢方処方を服用することで対処します。 そうすることで、大量の水分を摂取しなくても、熱中症の予防はもちろん、血液の流れもサラサラにすることができ、心筋梗塞などの予防にもなります。

おすすめの漢方薬

・麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)
・律鼓心(りっこしん)
・霊黄参(れいおうさん)
・星火牛黄清心丸(せいかごおうせいしんがん)

 など

おすすめの健康食品・サプリメント

・香西洋参(しゃんせいようじん)
・サメミロン

 など

1ヶ月分のご予算

8,000円~30,000円

「疾患・症状と漢方薬」に関するFAQ

Q:西洋医学的な病名にあった漢方薬を服用してますが効きません。


A:漢方薬の効能は西洋医学的な言葉で書かれていますので、病名が合致しててもその漢方処方が本来使用されるべき体質でなければ効果がないばかりか副作用のリスクも増大します。


Q:漢方薬と西洋薬の併用に問題はないですか?


A:漢方薬と西洋薬との相互作用についても注意する必要があります。ご相談の際には服用中の西洋薬やサプリメントをお教え下さい。