漢方から見た梅雨の養生法

梅雨の時期は、当たり前ですが雨が多く湿気が高くなります。漢方的に考えると、この時期のポイントは「湿邪」にあります。

「湿邪」とは、読んで字の通り体に悪影響を与える湿気のことです。漢方では体に影響する環境因子を六淫(りくいん)と呼び、「風」「寒」「暑」「湿」「燥」「火」の6種類に分類しますが、梅雨時に特に問題になるのが「湿」です。

「湿邪」の特徴は、胃腸の機能に悪影響を与えることと、「気」の流れを邪魔することです。また、普段から胃腸が弱くて、体内に余分な「湿」を抱えている方は、余計に「湿邪」の影響を受けやすくなります。

「湿邪」の影響で起こりやすい症状としては

・体が重だるい(特に午前中)

・関節や筋肉が動かしにくい

・顔や手足がむくむ

・食欲不振や食後におなかが張る

・口の中が粘る

・痰がよく出る

・神経痛の痛みが強くなる

などが挙げられます。

また、この時期は暑くなってくるため、つい冷たいものをとりがちになりますが、その結果胃腸を冷やすことで、ますます「湿邪」の影響を受けやすくなりますので、注意が必要です。

梅雨時の養生法としては、極力、生ものや冷たいものを控えて、胃腸の陽気(パワー)を守ることが最重要課題となります。もちろん、辛いものやお酒も、過度にとることで胃腸を弱めますので注意が必要です。また、既に胃腸が弱い方で口の中が粘るような場合は、冷たい水でうがいだけして、飲み込まないようにしないと、ますます口の中が粘ることになります。

それでなくても、現代の日本人の食生活は「生冷過食」(生ものや冷たいものの摂りすぎ)ですが、この梅雨の時期は、特に温かくて消化の良い食事を心がける事が重要です。

また、この時期に体がだるくなったり胃腸の調子が悪くなるに方は、胃腸の働きを活発にして余分な水分を体内にため込まないようにする処方などが用いられます。また下痢を伴うかぜには、一般の風邪と違って夏風邪専用といって良いような処方が用いられます。

おすすめの漢方薬

・参苓白朮散(じんれいびゃくじゅつさん)
・加味平胃散(かみへいいさん)
・苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

 など

1ヶ月分のご予算

6,000円~12,000円

「疾患・症状と漢方薬」に関するFAQ

Q:西洋医学的な病名にあった漢方薬を服用してますが効きません。


A:漢方薬の効能は西洋医学的な言葉で書かれていますので、病名が合致しててもその漢方処方が本来使用されるべき体質でなければ効果がないばかりか副作用のリスクも増大します。


Q:漢方薬と西洋薬の併用に問題はないですか?


A:漢方薬と西洋薬との相互作用についても注意する必要があります。ご相談の際には服用中の西洋薬やサプリメントをお教え下さい。