漢方では腰について「腰は腎の府」、「腰は腎の外腑」と言われており、五臓六腑の「腎」と深い関係にあります。漢方理論では人間が老化すると言うことは、「腎」が衰えていくことですので、腰痛は背景に「腎虚」=老化現象が存在します。また、若い人でも一時的な過労やストレスが原因で、腰痛(ぎっくり腰など)が発生することがあります。
また、腰痛に対する西洋医学的な検査では、とかく腰椎など骨の状態を重視しますが、骨よりも、それを支えている筋肉が衰えたり、柔軟性を失うことから腰椎などに負荷がかかることで発生するケースが多く見られます。(この場合、筋肉を支配している「肝」の問題(ストレス、飲酒など)が背景にあることが多いです)
以下に、よく見られる腰痛の漢方的なパターンについて、急性と慢性にわけて挙げておきます。
A.急性の腰痛
1. 風邪(かぜ)パターン
風邪を引くというのは、一般的に「風寒の邪」と呼ばれるものが主に上半身の体表部に「張り付く」ことで発症しますが、この時に背中の真ん中を背筋に沿って走っている「太陽膀胱経」と呼ばれる経脈が侵されると、腰部の「気」や「血」の流れが悪くなって、腰痛が発生します。
腰痛症と共に、かぜの症状(寒けや発熱、体のだるさなど)を伴い、腰部を温めると痛みが和らぎます。
2.環境(寒湿)パターン
加齢、過労、睡眠不足などで腎虚となり、寒くて湿気の多い環境の影響を受けて腰部における気血の流れが阻害されて痛みが発生します。
冷えだけでなく湿気がからむので、おもだるい痛み方が特徴で、冷えると痛みが悪化します。また、雨の日など湿度が高くなると痛みが増すのもこのタイプの特徴です。
B.慢性の腰痛
1.腎虚パターン
腰痛症で最もよく見られるパターンで、「腎虚」であるがゆえに体内の水分代謝に問題が生じて、体内に余分な「湿」が生じて、環境の湿気(湿邪)の影響を受けやすくなって発症するものです。
腎虚といっても、冷えを強く感じる腎陽虚タイプか、足の裏のほてりや上半身ののぼせ感などを伴う腎陰虚タイプかに分かれ、更に胃腸機能に問題があるかないかなどによって、用いられる処方が変わってきます。
共通する随伴症状としては、腰以外にも膝などがだるいか無力感があり、頻尿または尿の出が悪い、疲労により腰痛が悪化するなどの腎虚の症状が見られます。
2.腎精不足パターン
加齢などにより生命の根源物質でもある「精」を消耗することで、腎虚に加えて「肝血虚」と呼ばれる状態になり、冷えや湿気の影響を受けて発症するパターンです。
引きつるような強い痛みを伴いやすく、鼠径部にも痛みを感じる事があります。また、どちらかというと女性に多く見られ、精神症状としても憂うつ感を伴いやすいという特徴があります。
3.ストレスパターン
漢方理論では、ストレスは主に筋肉のなめらかな動きを支配している「肝」に悪影響を与え、筋肉が凝りやすくなります。腰部の筋肉のこりは、関節などの柔軟さを失わせるほか、腰痛の原因となります。
このタイプの腰痛の特徴としては、痛む場所が動く、日によって痛み方が違うなどのほか、「肝鬱」の症状として、胸や脇が張る、消化器でのガスの発生が多いなどといった自覚症状を伴います。
また、このタイプの腰痛は、全身の血流量を調節している「肝」の不調から、淤血(おけつ)化しやすく、そうなると治療に時間がかかります。
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・加味逍遙散(かみしょうようさん) ・五積散(ごしゃくさん)
・牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
・至宝三鞭丸(しほうさんべんがん)
・芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
・小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
・清宮寿桃丸(しんぐうじゅとうがん)
・参馬補腎丸(じんばほじんがん)
・真武湯(しんぶとう)
・疎経活血湯(そけいかっけつとう)
・当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
・独活葛根湯(どっかつかっこんとう)
・麻杏よく甘湯(まきょうよくかんとう)
・苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)
など
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・イーパオ ・エキサティバ・フォルテ ・NM-21 ・水快宝(すいかいほう)
・人参乾姜粒(にんじんかんきょうりゅう)
など
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